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2025年8月1日 「ニーチェ『ツァラトゥストラはこう言った』をどう読むか」のひとつのアイデア

  夏休み中の学生から「ニーチェ『ツァラトゥストラはこう言った』をどう読むか」の助言がほしいという連絡があり、ふと昔に引き戻された感じで、ここでも少し情報共有しようと思いました。 試してみようと思われる方がおられるかもしれないかと。 10年以上前ですが、『ツァラトゥストラはこう言った』(岩波文庫)を読んで対話する会を開いていました。イメージとしては、わたしがツアーガイドのような形で「今日はこことここを訪ねます、いろいろ話もしましょう」と、いくつかの章を参加者と一緒に訪ねて対話するという会でした。 『ツァラトゥストラはこう言った』に関してはそういう読み方が良いのかなと思うのですが、そういうガイドぬきで一人で読むとすると、一回目の読書は、下記の(章の)リストの中から関心があるものだけ詳しく読むというくらいで(飛ばし飛ばしでも)第一部から第三部の中盤まで読み進めてみるのはどうでしょうか。 第一部 「身体の軽蔑者」「読むことと書くこと」「山上の木」「戦争と戦士」「市場の蠅」「友」「隣人への愛」「贈り与える徳」 第二部 「鏡を持った幼な子」「至福の島々で」「有徳者たち」「毒ぐもタランテラ」「名声高い賢者たち」「舞踏の歌」「墓の歌」「自己超克」「悲壮な者たち」「大いなる事件」「預言者」「救済」「処世の術」「最も静かな時」 第三部 「旅びと」「幻影と謎」「来ては困る幸福」「通過」「脱落者たち」「帰郷」「三つの悪」  飛ばし飛ばし第三部の中盤まで読んで、その先も読みたいと思えば、また尋ねてください。その際は、「ツァラトゥストラの序文」や第三部後半を読むアドバイスをまたお伝えします。 *『ツァラトゥストラはこう言った』の前に『曙光』や『喜ばしき知恵』を読んでみてニーチェをもう少し読んでみようと思ったら、それから『ツァラトゥストラはこう言った』に向かうというのも一案だと思います。 2025年8月1日 菊地建至

2025年7月27日、秋田県で開催された「第57回日本医学教育学会大会」で発表してきたことの報告

  7月27日、秋田県で開催された第57回日本医学教育学会大会で、下記の発表(一般口演)をしてきました。 「医学教育において性的マイノリティについて講義形式で教えることの意義と困難、その困難との適切な関わり方」 本発表の資料は、Researchmap「菊地建至」の「講演・口頭発表等」から入手できます。 https://researchmap.jp/takeshi.../presentations/50716609 (いずれ文章にできればと考えていますので、取り扱いに関してよろしくお願いします。) 来年、第58回日本医学教育学会大会は富山県で開催されます。来年度最終年を迎える研究プログラム「地域住民の医療・保健・福祉に携わる医療従事者を育てる、哲学・社会科学の教育の開発」(JSPS科研費 23K00020)のメンバーたちを中心にした企画を実現したいと思います。

2025年1月26日

 ある腫瘍マーカー。それを手がかりに4年前生検を受けたが、その時は経過観察になり、昨年値が上がり続けて高くなったので、先週再び生検となった。結果は月末にわかる予定。

2024年12月31日

ひさしぶりの投稿だと思います。 2024年は1月1日に能登半島地震があり、6日に母が亡くなり、17日は29年間を意識し、体調すっきりせず、会いたい人たちにあまり会えず、晴れ晴れしいと言える日はなかった一年でしたが、 仕事があり、休める場所があり、優しい人たちがいて、わたしでも少しは人のたすけにもなれているようで、いい時間もたくさん過ごさせていただきました。 今年一年もありがとうございます。 みなさん、良い年越しになりますように。 これからもみなさんに、楽しい時間もたくさんありますように。 菊地建至

9月29日 研究発表「医療・福祉において対話的な関わりができる人になるには、どのようなクリティカルシンキングを学ぶことが重要か」 日本哲学プラクティス学会第5回大会

  9月29日、長野県立大学三輪キャンパスで、日本哲学プラクティス学会第5回大会が開かれました。 企画・運営に関わられたみなさん、会場校のみなさん、発表者のみなさん、ありがとうございます。 そのなかで、わたしもひとつ研究発表させていただきました。 タイトルは「医療・福祉において対話的な関わりができる人になるには、どのようなクリティカルシンキングを学ぶことが重要か」で、最初にこんな話をしてから、後は細かい話や関心のある人には役立つだろうという情報共有をしました。 1  哲学プラクティスには、医療や福祉に関わる哲学プラクティスが含まれます。これは、医療や福祉の専門職に携わる人の実践だけを指しているのではなく、市中の対話カフェ、さまざまな教育での医療や福祉に関わる哲学プラクティスなども指しています。  また、医療に関わる哲学やクリティカルシンキングといっても、本発表が重視するのは、医療技術倫理学、生命倫理学などがこれまで主として対象としてきた問題ではなく、「生活、人生」「総合的に患者・生活者をみること」「プライマリ・ケア(primary care)」「医療・福祉を必要としているにもかかわらず医療・福祉を訪ねることをためらったり避けたりする人がいる現実」などの問題です。   2  医療や福祉の哲学プラクティスに良く関わろうと思う人は、 「対話のプロトタイプ」だけに限らない、広い意味での対話、(対話、会話、雑談、おしゃべりなどを区別することにこだわらず)「対話的な関わり」を常に視野に入れること、それについて良く知ることが重要です。  また、ソクラテスをルーツとする「対話のプロトタイプ」、「言論嫌い(ミソロゴス)を生むことへの用心」などを知ることも重要です。  なぜそうなのか。対話的な関わりができる人になるにはどのようなことを学ぶことが重要か。そのような関わりや学びのなかで人々の多様な語り・対話の知識、人間や社会の知識、認識的徳がどのように働くのか。 発表者はこれらの探究が欠かせないと判断し、研究と実践を進めています。本発表もそのなかに位置するものです。 3   発表者は医科大学の教員でもあり、本日取り上げる教育実践は医学部の授業に限ります。そこでは、上記1・2を意識し、プライマリ・ケアに関わる人は、福祉、社会科学・哲学、対話的な関わりなども良く知る必要があるという認識...

2024年5月8日 対話、金沢

金沢。がん患者・経験者のつどい場「はなうめ」に通う人とリワークスクール「カラフル」に通う人が場を共にして対話する朝、いい時間だった。ありがとう。 https://jp.bloguru.com/hanaume/

2024年1月27日 おんころカフェ

  2024年1月。 火曜日は「やわらぎ」で、土曜日は「はなうめ」で、毎月一度開いているおんころカフェを今月も開きました。ありがとう。 どちらも石川県。「はなうめ」のおんころカフェは4月が来ると6年目に入る。「やわらぎ」のおんころカフェも2020年12月からだからまる3年続いて4年目に入った。「やわらぎ」のおんころカフェは病院内ということもあってそれ特有のことが少なくない。どちらもこれからも毎月開け続けられることを願っているし、努力する。